大野繁 写真展 「I S T A N B L U E S パムクの影を探しに」 写真展
2019年6月6日(木)~11日(火)
11:00~19:00(最終日16:00まで)
池袋 ギャラリー路草
始めてイスタンブルに降り立ち包まれたとき不思議な感じがしたのを今でも覚えている。既視感とは違う何か目に入ってくる風景は異国だが漂う目に見えないそれがイスタンブルそのもので在る様な何かが解らないままシャッターを切り始めそれが色なのかと思いカラーで纏めてみたりしたが通りすがりの物珍しさの域を中々越えられないでいた。パムクの著書「イスタンブール」に出会ったことで目に入ってくるものが変わってきた訳では無く目には入り網膜上には投影されながらそれが真のイスタンブルだと認識できなかった風景を彼の言葉によって遅まきながら捉える事が出来るようになってきただけなのだ。
彼はそれをヒュズン(憂愁)と。
長い歴史があるが故に重みに耐えかね近代化の荒波に揉まれ翻弄されたイスタンブルの人々のなかに集合的無意識の様に存在するであろうとされるものヒュズン、私が最初に感じたものもその一端ではなかったのか。答えはまだ出ていない永久に解らないまま終わるのかもしれないがそれが私をイスタンブルに引き寄せるものであり答えが見えた時は撮る事を止める頃合いなのだ。プラハを読み解くときカフカの作品が雲間から射す光の如く照らしてくれる様にパムクの作品もイスタンブルを感じ撮るのにはかなり有効な光であるが光が強ければ強いほど陰も濃くなる。
2019年6月6日(木)~11日(火)
11:00~19:00(最終日16:00まで)
池袋 ギャラリー路草
東京都豊島区南池袋2-25-5藤久ビル東五号館14F
http://gallery-michikusa.jp/exhibitioninfo/190606k/
(posted on 2019/6/6)