復元見取図の作成
現場の一般公開
石工
修復の手帳 3
修復の手帳 2
表具師
土間叩き
左官
型の写し
槍鉋(やりがんな)削り
文化財修復の現場
小諸城現場(長野県)
時国家住宅現場(新潟県)
十字架を仕上げる左官
部材の繕い
木工や左官、石工など昔からの技術はもちろんのこと、近代化遺産の登場によって吊橋のワイヤー技術や、鋼構造物のリベット接合なども継承の必要性が出てきました。また、コンクリート構造物など、材料を一新して形だけの継承でよいのかも研究者の間では悩みどころのようです(木造の古建築も焼失で再建されても時が経った現代では文化財になっていますが)。
文化財建造物の修復現場を監理している文化財建造物保存技術協会では、現場公開のほか、冊子「修復の手帖」を発行しており、撮影で関わらせていただきました。日本は欧米に比べて文化財保護の意識が薄いといわれています。写真分野で少しでも貢献できたらと願う毎日です。
小野吉彦
唐招提寺現場(奈良県)
茅葺
茅葺
栩葺(とちふき)
檜皮葺
原皮師(もとかわし/檜皮を採取する職人)
檜皮を竹釘で固定
ひとむかし前まで文化財建造物といえば「社寺仏閣」「古民家」などが思いうかびましたが、最近は「駅舎」「ダム」「橋」「トンネル」などの近代化遺産が加わり多種多様になりました。全国ではそれらの文化財を修復し、後世に残すため多くの職人が活躍しています。
建造物に限りませんが、代々受け継がれてきた宮大工などに代表される多くの職人は後継者不足が続いており、文化財を後世に残すためには技術保持者を育てる必要があります。そのためには修復現場が必要で、伊勢神宮の遷宮に代表されるように、技術継承の「場」が重要だそうです。
多くの若者は「修行」を嫌い、職人の世界は敬遠されがちですが、なかには建築史で大学院を卒業したあとに茅葺師を職業に選ぶ若者にも出会いました。修復現場では積極的にその状況を市民へ公開するところが増えており、とくに将来の担い手である子供たちが少しでも興味を持ってくれるよう期待しています。