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日本建築写真家協会

Japan Architectural Photographers Society

コラム

Column

ある晴れた休日に 

「よく晴れて今日は絶好の撮影日和ですね。」

「はい、ものすごい青空。ばっちりですね、、、」

竣工写真撮影前によく交わされる会話。建築写真家は天候についていなければならない。雨夫君や雨子ちゃんではかなりしんどい日々を過ごさなければいけなくなるであろう。よく建築家や編集者で僕は私は、晴れ男晴れ女だと豪語する方がいらっしゃる。たぶんそうなのであろう、でもその人達は年間どのくらい天候に左右される日があるのであろうか。我々建築写真家ほどの日数はあるまい。だからこそそんな強気の発言ができるのである。

かくいう僕は天気にはかなりついている方である。が、日々が撮影という状況で、晴天の日がずっと続くことは難しい。だから僕はどんなに天気についていても決して晴れ男だなどとは言わずそっと黙っているのである。基本的に撮影の無い土日が休日なのだが、その数は少ない。たまの休日、今にも雪が降りそうな曇天や、雨の日は心の底から今日はお休みとゆったりとした時を過ごすことができるのだが、晴れていようものなら、この青空もったいないと、なぜか落ち着かない。貧乏性この上ないのである。

多くの建築家の皆さんは晴れ上がった空にそびえ立つ建築物が好きであるようだ。そして陽の光がかもし出すいろいろな表情が見せる建物に期待を寄せるし、僕もそれに感動しながら撮影する。しかし、都市の写真を撮る時、僕は晴天を好まない。太陽が介入する表情に惑わされたくない。むしろ曇天の、全てのものが均一にそのボリュームを見せてくれるそんな景色の方が好きなのである。今日は一日都市歩きをして撮影をしよう、そんな日の朝、曇天を期待している。

今日は久々に撮影の無い休日、カメラを持って街に出ようと思っていたのだが朝からの晴天、雲ひとつない。というわけでカメラはおいてMac片手に喫茶店に行き、朝からこんなコラムを書いているのであった。


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(posted on 2016/1/28)

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