公益社団法人日本写真家協会 創立65周年記念写真展
『日本の海岸線をゆく-日本人と海の文化』 高井潔
日時 2016年3月1日(火)~3月13日(日) 10:00~20:00
場所 東京芸術劇場5F ギャラリー1・ギャラリー2 – JR池袋西口
日本写真家協会では、これまで写真を通じて記録と表現の両面から現代史を概観する数々の写真展を開催してきた。日本写真家協会創立65周年を記念する周年事業の核となる今回の写真展は、日本の海岸線を手がかりに、日本の「今」を見つめ直してみようというものである。
数多くの島々からなる日本列島とその国土は、東西南北それぞれ3000キロのも及ぶ広大な領域を有し、それ故、その海岸線は総延長35,672キロに達し、世界でも有数の延長戦である。
本展では、その長大な海岸線を辿り、海の風景、漁業や漁港・港湾、工場や工業地帯、更には、祭り、観光、民族、歴史、史跡など人間の暮らしや営みを通じて、日本人と海の文化をビジュアルに探ったものである。
※公益社団法人日本写真家協会 創立65周年記念写真展 『日本の海岸線をゆく-日本人と海の文化』特設サイトより
高井潔出展作品 『鰊御殿 旧田中家』 北海道小樽市祝津
小樽市祝津の比和山灯台の下にある「にしん御殿」は、にしん大尽といわれた田中福松が明治30(1897)年に7年の歳月をかけて積丹の泊村に建てたもので、昭和33(1958)年現在の地に移築された。主屋は間口約29m、奥行き約12・6m、総床面積約611㎡。建物の高さは棟木まで約9m、大屋根の上には望楼にも見える入母屋造りの煙り出しがそびえている。総二階建ての一軒家は、北海道産原木3000石がふんだんに使われ、その量感には圧倒されるものがある。建物中央の玄関を入ると、右側半分が主人家族の住居、左半分には使用人のための漁夫だまりで、田中家の最も忙しい時期には一時120人ものヤン衆が寝泊りし、にしん漁に従事していた。漁の最盛期は三月上旬から五月の下旬と非常に短い期間である。その短い間に上げる漁獲高は、1万石(約7500トン)とも言われている。
現存するこの種の建物の中では、おそらく最大級のものだ。
(posted on 2016/2/23)