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日本建築写真家協会

Japan Architectural Photographers Society

コラム

Column

倉敷と私 

倉敷には「倉敷美観地区」という、一部が国の重要伝統的建造物群保存地区にも指定されている景観保全地区がある。
江戸後期頃~の屋敷や町家、蔵など白壁の町並と、~昭和前期頃の西洋建築が絶妙に混在して独自の風情を醸し、国内のみならず海外からも連日多くの観光客が訪れる観光地となっている。

なんとなく昔からあったんだろうという認識だったこの美観地区が、早くより町並保全活動に注力された先人の方々や、現在進行形で町を守り育てている方々の存在のおかげで「美観地区」が現在の「美観地区」として現存しているということを知ったのは恥ずかしながら最近であり、とても感銘を受けた。

いまの場所へアトリエを移転して1年になる。
目の前には丹下健三さん設計の倉敷市立美術館(旧倉敷市庁舎)がずっしりと構え、そのすぐ先には倉敷美観地区が広がっている。

漠然と「倉敷美観地区に写真で関わりたい」との思いでこの場所を選んだが、この町の成り立ちを勉強するほどに「魅力を伝えていきたい」と思うようになった。次の世代に渡すバトンはまさしく今、多くの有志たちによって懸命に磨かれているのだ。微力だとしても、今の自分にできることを行動に移していこうと思う。職業写真家だからこそ担える役割がきっとある。写真を強みにこの町の魅力を伝えられるよう、知恵と体を働かすのだ。

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(posted on 2016/7/1)

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