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日本建築写真家協会

Japan Architectural Photographers Society

設立25周年企画展
25th anniversary exhibition

コラム

Column

街歩き(40)シンガポール

久々に街歩きを始めることにした。
 
この春数年ぶりに訪れたシンガポール。
最初の訪問はスリランカのコロンボからの帰国時に一泊したような記憶があるが40年以上も前の話しだ。

今回は金融街に最近竣工した高層のキャピタルスプリングの撮影だ。
撮影の2日目に最上階のレストランの夜景撮影をしていて気づいたのだが、30年以上前に撮影した丹下健三先生設計の二つの高層ビルが数街区先に望まれた。
その頃はまだまだ高層建築と呼ばれる建築自体が少なく先生設計の2本の高層建築が当地のスカイスクレーパーを形成していた感が強かった。
近年は高層建築を撮影するにはあまりにも建築が密集していて全景を撮影できる場所探しに一苦労だ。

撮影は3日間ほどで終了し、その後は家族8人と現地で合流し5日間ほどの休日を楽しんだ。
孫たちも二度目でもあり、酷暑の日中はもっぱらホテルのプールサイドで過ごし、比較的涼しい午前中や夕方に街に繰り出し観光気分を少々は味わった。
一日だけ2人の孫を引き連れ暑い日中に街に出かけ、今では人の流れをマリーナベイエリアに持って行かれたオーチャード、異国情緒豊かなアラブストリート、行くと必ず足を向けるクラークキーと精力的な町歩きを楽しんだが、何処に行っても綺麗に整備され以前のようなこの街特有の喧噪感は何処に行ったのだろうか。輪タクと呼んでいた乗り合い自転車も見かけなく以前のようなシンガポールが体験できなくなり古き良き時代が懐かしく思い出された。
今回は足を向けなかったインド人街、中華街も同じなのだろうか?
孫たちは新しく運航を始めたリバークルーズに大はしゃぎしていたが。
そうは言いながらも町が発展し街になっていく様を50年近くにわたり感受出来たのは良い思い出なのかもしれない。

TVCMで一躍有名になったインフィニティプールがあるホテルやガーデンズ・バイ・ザ・ベイにも出かけたが、このエリアの人出には閉口し、家族を残し、現地の友人に以前勧められた秘密のテラスバーに出かけてみた。
このバーからの夜景は人知れずのバーと呼ばれるだけあって、いつ行っても現地の人を見かけるだけのテラスだが
ここから望めるマリーナベイの夜景は言葉にも表現できないほど美しく、現地の夜景写真を多く見ているがここからの写真は記憶にない。現地の写真家は何をしているのか?

最後にはチャンギ空港に新しく出来た商業施設ジュエルのシンボル、高さ40メートルの滝の飛沫を浴びれば一過ではあるが日中の暑さも忘れるだろう。

(posted on 2025/7/7)

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