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日本建築写真家協会

Japan Architectural Photographers Society

設立25周年企画展
25th anniversary exhibition

コラム

Column

「湯道」という映画をご存知ですか?

先日、2023年秋に東宝から公開された映画「湯道」を、配信サービスで鑑賞した。

私の世代では、お風呂やシャワーの完備は当たり前になっていたが、それでもまだ、近所に銭湯が存在し、そこの息子と仲が良かったため、しばしば通っていた。

学生時代も、友人が住む寮の向かいに銭湯があり、遊びに行く度に汗を流した。火照った体を冷やしてくれる扇風機の気持ちよさと、風呂上がりに飲むコーヒー牛乳の美味しさは、30年経った今でも忘れられない。

そんな銭湯だが、現在どのくらい現存しているのか、気になって調べてみた。
「全国公衆浴場業生活衛生同業組合連合会(全浴連)」(舌を噛みそう・・・)によれば、スーパー銭湯や健康ランド、サウナ施設やスポーツ施設を除いた、いわゆる「町なか銭湯」としての軒数は、1968年前後のピーク時には17,999軒を数えたものの、現在では1,653件残っており、入浴料の平均値は、東京が最高値で520円(大人)、最安値が宮崎県で320円(大人)と記載されていた。

約1650軒という数字だけを見れば、まだまだ現存しているという見方もできるが、山手線の駅に例えてみれば、30駅から3駅になってしまったわけで、大変な減少である。

「テルマエ・ロマエ」という映画があったが、古代ローマでは公衆浴場が当たり前に存在し、今の日本と同じように、憩いの場、社交場であったと思われる。
(キリスト教が国教となった後、宗教観の違いから、姿を消したと言われている)

何を見ようか迷った時は、ぜひこの映画をオススメしたい。寅さんという映画は日本人にしか描けないと思うが、この作品もまた、日本人にしか描けない1本だと思う。キャストも大変豪華でした。


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(posted on 2024/7/25)

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