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日本建築写真家協会

Japan Architectural Photographers Society

コラム

Column

街歩き(39)ドバイ (UAE)

 1995年夏、航空機史上最悪、凄惨な事故の一つとして語り継がれている航空機の事故が我が国で起こったことは記憶の中でも今も鮮明に残っている。思い返しても500人以上の尊い命が失われ決して忘れられない、忘れてはいけない出来事であった。私自身も仕事仲間の知人を失い、事故の一週間前に会った彼の笑顔が今でも忘れる事を出来ないでいる。

 当時このニュースを発展途上中の、今ではオールドドバイと呼ばれているドバイ発展の中核となったエリアのホテルの客室で第一報を知る事となった。
当時は衛星放送もなく地元のアラビア語の放送を見ていたわけだが、突如サブ音声からNHKが提供しているニュース映像の日本人アナウンサーの声がかすかに聞こえ、詳細は不透明ながら重大な事故が起きていることは容易に想像がついた。その後もテレビの情報から事故詳細を知ることが出来、数名の生存者が発見された事は現地でも連日大きく取り上げられ、救出映像を食い入るように見つめていた記憶がよみがえってくる。

 その後ドバイには数回訪れ今日の発展ぶりを目の当たりにしてきたが、コロナ以後に関して言えばその進捗状況が少々落ち着いてきているのかもしれない。
直近では2023、12に訪れたが、前回訪れた2019、4の時とあまり様変わりしていない感がしたのは私だけだろうか。
それよりもアブダビ、バーレーン、カタール等の周辺諸国の躍進が何かと取り上げられる機会が増えてきているのではないだろうか。

 今回のドバイへの旅に話を戻すと、撮影対象は高さ300メートルの二棟からなる高層ビルの撮影だが、先程述べたオールドドバイと新市街の中間エリアに位置した立地の為、オールドドバイのホテルに滞在した。
40年前に滞在したホテルは立て替えられていて面影すら確認出来なかったが、このエリアの雰囲気は何一つ変化が見られず、皆が想像しているドバイのイメージとは一線を画している。スークもあればメディナの一部も部分的ではあるが現存し、未来都市ドバイの違った一面を味わえる特別のエリアだ。

 ドバイは大きく分けると述べてきたオールドドバイの他、ダウンタウンドバイ、ニュードバイの三つのエリアに大きく分ける事が出来る。
最もアラブらしい雰囲気を体験したいならオールドドバイのスーク(市場) がお薦めだ。
金細工を中心に多くの金製品を扱うゴールドスーク、世界中の香辛料を扱うスパイススーク等、多くの中東諸国でも見られるアラビアンナイトの世界に足を踏み入れたような雑踏感が味わえる。
ダウンタウンドバイの中心はやはり世界一の高層ビル、バージュ・カリファを上げねばならない。高さが828m、足元には世界一の広さを誇るドバイモールと呼ばれるショッピングセンターがあり今回も訪れたが、目的のお店にはその広さ故何度行ってもたどり着けない。現地の人もアプリに目的のお店を入力し携帯に表示されるナビ案内にそってお店に行っているようだ。
ニュードバイではホテルが密集するマリーナ周辺からジュメイラー一帯が観光客には人気があるようだ。特に屋上のヘリポートでテニスを興じるTVCMで有名になったホテル、バージ・アル・アラブは一見の価値はあるが宿泊者でないとロビーにすら入れない世界で一番価格が高いホテルだ。
 
昨年のコロナ明けのスイスから再開した海外出張だが、前回にも述べた異常なまでの円安には閉口している。どこに行ってもコロナ以前の4割高だというのが肌感覚だ。特にここドバイの物価高には驚きを通り越し笑ってしまう程だった。笑い話の一つとして日本では3千円ほどの焼酎が4万円ほどで売られている。仕方なしに購入はしたが、これほど味わって呑んだ事は今までには無かった。何がこの円安に至ったのかの詳細は不透明だが、私自身の考えをこのコラムで述べるのは差し控えたいが、一言OOさんなんとかしろよ!

さあそんな事よりも月末にインドに行くがそこでも又円安の恩恵?を被る事だろう。

(posted on 2024/2/24)

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