Old School Japan ⑦ パブレストラン アポロ
YOKOHAMA曙町。
1960年代の横浜港全盛期には、ギリシャ人船員の集まる地域として栄えていたらしい。
横浜を愛してやまない建築写真家のY先輩に連れられて曙町にある「パブレストラン アポロ」へ潜入。
ギリシャ神殿風の柱の先に扉があり、その扉を開けると真っ赤な階段が現れる。階段を上って入店すると、カウンターの中に初老のバーテンダーがひとり佇む。
早速ジントニックを作ってもらう。グラスを傾けながら店内を見渡す。
レトロな照明。レトロなソファー。そしてジュークボックスの存在に気が付く。しかもこのジュークボックスはレコードで音を聴かせてくれるのだ。
空間そのものがノスタルジック。はりぼてのレトロ感では無くて、半世紀という長い月日がこの空間を作ってきた。一朝一夕では成就しない。
創業は1964年。東京オリンピックの開催された年だという。当時は横浜港に貨物船が入港すると、アポロはギリシャ人で溢れかえって日本人は入れなかったらしい。やがて1970年代に入るとギリシャの船が減り、乗組員はアジア系に変わっていき、それに伴いギリシャ人は来なくなったという。
〆はスパゲティ・ナポリタン。余談だが、アポロは「日本ナポリタン学会認定店」という顔も持ち合わせている。
(posted on 2023/12/14)