滋賀の建築⑫「ラ コリーナ近江八幡 草屋根」近江八幡市北之庄町615-1
ラコリーナは2015年にオープンした「たねやグループ」(和菓子舗 たねや 洋菓子店 クラブハリエ)のフラッグシップ店。La Collinaはイタリア語で丘という意味。設計は藤森照信。敷地面積は約3万7千坪。和菓子・洋菓子店とは思えないほど広大な敷地には特徴のある建物が複数ある。その中の一つに草屋根と呼ばれる建物がある。
駐車場から生垣を抜けると最初に現れるのが草屋根である。
ラコリーナのメインショップとして1階がショップ、2階がカフェになっている。
アプローチ部分にはおかめ笹が植えられている。
右の傘のような建物は柿傘と呼ばれ中心から柿の木が突き出ている。
屋根はその名の通り芝生で覆われていて季節によって表情が変わる。
草屋根の軒下。壁は土壁。柱とベンチの座面は栗の木で原木の形状が生かされている。
草屋根を通り抜けると大きな水田がある。
草屋根のてっぺんには松の木が植えられている。左の車輪の付いた建物は特設販売所で銅仮面と呼ばれる。
大きな三角屋根の連なる草屋根はインパクトがありながら見事に背後の八幡山の景色に溶け込んでいる。この規模の建築なので中身は鉄とコンクリートが使用されているが、これほど草と土と木で覆われていると全くそれを感じさせない。屋根の草のメンテナンスは大変そうであるが草屋根は自然に学ぶというラコリーナのコンセプトを象徴している。
(posted on 2023/7/17)