滋賀の建築⑧「出島の灯台」大津市今堅田1丁目
1875年、琵琶湖の最狭部の今堅田に出島(でけじま)の灯台が建てられた。この辺りは古来より琵琶湖の水上交通の要衝であり、船の座礁や難破事故が多かったため湖上交通の安全を目的とされた。当初、光源は灯油ランプを使用していたが1918年からは白熱電灯が使用された。1951年まで灯台としての機能と役割を担ってきた。1961年の第二室戸台風により倒壊しかけたが、地元の保存運動により1973年に復旧され現在の姿となり、1989年からは点灯も再開された。1991年には大津市有形民族文化財に指定された。
木造黒塗りで高さは約8m。
街灯に梯子をかけたような独特の形状。
南側から。奥に琵琶湖大橋が見える。
四隅と中心の5本の柱で胴体部を支えている。
黒塗りの灯台は琵琶湖の風景に映える。
出島の灯台は琵琶湖の雄大な風景と調和した隠れた名所となっている。灯台としての本来の役割を終えた今も湖上交通の安全を願う地元の人々のシンボルとして大切に保存されている。
(posted on 2023/2/14)