NO PHOTO NO LIFE ㉛ ~アー写撮影を終えて~
対談企画 シンガーソングライター落合みつを さん
前書き
この夏の8月の下旬に僕は佐賀県の唐津という場所で3日間をかけて、シンガーソングライターの落合みつをさんの宣材写真を撮影していた。
このコラムが公開される時には解禁直後となっているであろう僕が制作に携わった神奈川県藤沢市のソールフード企業「味の古久家」さんのセカンド・ブランド「寅そば」さんのWEB CM放送開始に伴なう落合みつをさんからの楽曲提供でのコラボに関連した撮影だった。
HOW TOも大切だがHOW WHO(誰とやるか)もとても大切なこと。
僕らはユナイトしていく。
そんな有意義な撮影終了から半月ほど経過して、改めてみつをさんと対談した時の内容をお伝えします。
西田
先日はお疲れさまでした!
それ以降もSNS等拝見していると日々大変お忙しそうですが、本日はよろしくお願いします。
落合氏
よろしくお願いします!
西田
これは対談企画の時に全てのゲストの皆さんに最初にお聞きする質問なのですが、
建築写真家協会の公式サイトにて連載されているコラムという事で「写真」というキーワードを入口にお話しを進めさせて頂いているということで、ズバリみつをさんにとって「写真」とは何ぞや!?という質問を最初にぶつけてみたいなと思います。
この漠然とした質問に最初に何て答えが返ってくるのか楽しみです。
落合氏
僕にとっての「写真」って人生のなかで何度か立ち位置が変わっていて、、
学生時代までの記念写真とかそういうことでなくて、宣材として例えば「CDジャケット」とか「アー写」とか、、、撮ってもらう!っていう自分を素材として向き合うモノっていうのが写真との第一の向き合い方でしたね。
西田
それはアーティスト「落合みつを」として彼此どれくらいですか?
SUN’S COMPANY時代から入れると四半世紀を超えるぐらいですかね?
落合氏
そうですね。20歳の時にはアー写、ジャケ写の撮影に入っていたので、それから数えるともう29年になりますよね。
西田
凄い!
その約30年の間に宣材写真を色々なシーンで撮られてきたと思うんですけど、その出来上がってくる写真を見てまず何を大事に写真を見るのかなって。
数ある写真から選考する際に何を一番大切にして写真を見るのかって興味あります。
落合氏
そうですね。ジャケット写真ってなると、まあそれに限らずですけど構図をみますよね。
自分の表情も勿論ですけど構図と全体の雰囲気。
その全体の雰囲気に対する表情のマッチングで選んでいた気がします。
ただ、僕が選ぶ権利がない時期が入り口だったので。
西田
あー、なるほど。
それはレーベルの意向だったり、事務所の意向だったりという意味で?
落合氏
ハイ。
自分がいいと思う表情というよりは、全体の構図先行でそこに伴う表情だったりポージングだったり。自然とそんな風に写真を見る癖がついていったように思います。
西田
ハッピーになる瞬間ってどんな時ですか?
落合氏
それは撮られていて?それとも仕上がって
西田
まず、仕上がりを見て。
落合氏
ハッピーになる、、、か、、、
それは逆にアー写じゃないかもしれないですね!
西田
あーおもしろい答えかも
落合氏
ふさげてたり解放感が出過ぎてたり、要はプライベート感が出過ぎていると大体ボツになるんですよね(笑)
まぁ、和むのはそっちですよね
だからそれは世に出る事はないんですけどね。
西田
30年間アーティスト活動をしてきて、世に出ていない写真というか、陽の目を見ていない写真っていうのもおそらく何千枚もあるんでしょうね
落合氏
そうそう、自分でも把握しきれてないですもんね。
西田
まぁ、どのカメラマンさんが撮影したとか権利上の問題もあるでしょうけど、これまでの世に出なかった写真を今、まとめて何かの機会に公表できたらファンの方々は喜ぶのでしょうけどね!
落合氏
そう思うんですけどね。
でも自分の手元には殆ど無いんですよね。所属していた事務所の権利だったりするので。
西田
あ~なるほど。
じゃあ、いまみつをさんの手元にあるのは独立後に立ち上げられたスマイルファクトリーになってからのモノなんですね。
落合氏
そうですね。独立の始めはまだポジに拘りを持って使ってました。
14、5年前にデジタルに移行したっていうか。
西田
逆にみつをさんが写真を撮るっていう事はあるんですか?
確かみつをさんもカメラ好きって言ってましたよね!
落合氏
そう。
独立してからは自分とカメラマンで宣材写真を選考するようになったので、それからは
自分を素材としてみた時に「こう撮りたいな」「こういう構図で!」「こういうシチュエーションで!」っていう発想でどんどん写真を見るようになって。
だったら自分を素材じゃなく当時うちのレーベルに所属するアーティストを、勿論カメラマンに頼む事もあったんですけど、正直自分の意図している方向じゃない写真が仕上がったりすると、それが悪いという事じゃないんだけど、だったら僕も撮りたいなって。
カメラ自体27、8歳から触っていて最初は風景写真ばかり撮っていたんですけど、人物も撮りたいなって思った頃から所属アーティストの写真を僕が撮るようにもなりました。
西田
ミュージシャンの方に対して写真の話ばかり聞くってのも失礼かと思うんですがもう一つだけ。
写真そのものじゃなくて、撮影するカメラマンに対して求めたい事って何だろう?って。
アーティストがカメラマンにどんなことを求めてるのかな?って。撮影の進め方にしても気遣いという意味においても。逆に最低これだけはしてくれるな!とか
落合氏
「アーティスト落合みつを」としての撮影がほぼなので、それに関しては僕の音楽をただ流して聞くだけじゃなくて、どういう風にこの作品を書いたのか?みたいなものを正解じゃなくてもいいのでカメラマンさん的に想像してもらって、受け止めて聴いてもらえれば打合せいらないんじゃないかなって!
その上で遠慮せず、あくまでもアーティストとカメラマン対等であって。
同じクリエイターだと思うので。
むしろ撮影なのでカメラマン側のフィールドで一緒にクリエイトするわけですから、そこはお互いに尊敬の念をもって遠慮せずにカマシテきて欲しい(笑)
西田
先日の撮影は大丈夫でしたか(笑)
落合氏
もう、ばっちりでした
西田
(大爆笑)もー、優しいからな、みつをさん!
ホントに使えそうな写真ちゃんとありましたか?
やっぱり北島音楽事務所という、どメジャーからデビューされている経歴を持ったアーティストさんなので、業界の第一線で活躍している映像集団とお仕事をされてきたというのは容易に想像できるので、そういった部分では僕もかなりプレッシャーがありましたけどね。それだけにとても貴重な経験をさせて頂いたなって思います。
あの日の撮影は本当にスリリングな快楽でしたもんね。言葉じゃない息づかいとシャッターのタイミングでお互いの要求をキャッチボールするような。
あ、それと
このサイトは主に建築写真業界に関わりのある方や興味のある方に見て頂いているのだと思うのですが、もし、みつをさんをご存知ない方が読者にいるとしたら、みつをさんから何か読者の方々に伝えたい事ってありますか?
落合氏
僕らアーティストって世間でいうところのゼロから1を生むヒトたちだと思うんですが、僕らと同様にアーティストとしての芸術写真ではなく商業写真と言いう意味における撮影を職業でされているカメラマンさんなどは、そういった僕らの1を10にしてくれたり100にしてくれたりする側の人だと思うんです。
そこって実は分業制ではなくてゼロ→1をやった人達の意図というものを1から10にしたり100にしたりしてくれる人達が自分なりに理解するとその1→10がもっと面白い角度で表現できるのかなって。
いつも言う事なんですけど相手に対してのリスペクト、物に対してのリスペクトがあると面白い着眼点が自然に見えてきたりするので、僕の歌をもし聴いて頂ける機会があるのならば、どういう状況でこの歌が生まれたんだろう?この歌が何を表現しようとしてるんだろう?って、そんな事を楽しみながら、悲しい曲であれ楽しい曲であれ、想像する事の楽しさっていうモノを持ちながら是非興味を持って頂けたら皆さんと、こう、より皆さんとの最大公約数が見えてくる気がします!
西田
流石っすね!
今日の対談の肝でしたね。もう、ここだけぱぁ~って書いたら凄い対談記事になるなぁって想いながら聞いてました(笑)
落合氏
いや~もっといい事を言えたらいいんでしょうけど、思ったというか浮かんだことしか言えなかったです(笑)
西田
いやぁ~流石だなって。
(爆笑しながら)あの僕の幼稚な質問からこんなしっかりした答えを返してくれるんだ~と思って。インタビュアーの質問がショボいから、「もう少しまともな質問考えてこいよ~」って思われてんだろうなって(爆笑)
落合氏
(爆笑)
西田
さて、この対談記事が掲載される頃には神奈川県藤沢で地元の皆さんからソール・フード企業として親しまれている「味の古久家」さんのセカンド・ブランドであるラーメンチェーンの「寅そば」さんのWEB CMがおそらく解禁となっています。
このWEB CMでも実はみつをさんとご一緒させて頂いているんですよね。
もともとは僕がこのCM制作に携わっていてCMと言えばやっぱりBGMがとっても大切で。僕にとって、とてもお世話になった恩のある会社さんなので気持ち的にとてもエモい部分があって、そう考えた時に真っ先に想い浮かんだBGMが「ひたすら前にすすむのです」といった歌詞でサビを迎えるみつをさんの「島原にて」でした。しかもあの「ヨイサー」の活気ある声が入っているライブバージョン。
すぐさまみつをさんに連絡を取って交渉に入って自分の思いの丈をお伝えしたところ、みつをさんが快諾をしてくれて実現しました。
読者の皆さんにも是非一度見て頂きたいなと思います。
今回このコラムの挿し絵となっているみつをさんの写真も、寅そばさんのCMのロングバージョンで紹介されるみつをさんの写真も、この8月に唐津の現場で撮影された宣材フォトです。素晴らしい縁が広がった遠征撮影でした。
次号は、その「寅そば」を運営する「味の古久家」さんの代表 小林剛輔さんにみつをさんからバトンを渡して頂く形で2か月連続の対談コラムとなります。
お楽しみに。
みつをさん、本日は本当にありがとうございました。
落合氏
こちらこそ、本当にありがとう。
プロフィール
シンガーソングライター 落合みつを
95年にバンド“SUN’S COMPANY”を結成し、新潟を中心に活動開始。
アルバム2枚をリリースしてソロに転向
北島音楽事務所が手掛けた最後のロックアーティストとして2004年キングレコードより「徒然/ダンシング・オールナイト」」でメジャーデビュー
2007年 ユニバーサルミュージック移籍 Single「この丘を越えたら」/Album「恋模様」
2009年フジテレビ企画 「HACHITAMA MUSIC NIGHT!」マンスリーグランプリ受賞/V.A「大地の唄」(ポニーキャニオン)
2022年 現在 レーベルSmile Factoryにて楽曲/書籍/CD/DVD/配信を行っている。
切なくて温かい。 多彩なメロディにのせて人生の普遍を歌う シンガーソングライター。
オフィシャルサイト
http://mitsuwo.com/PC/
落合みつを氏、当コラムニスト西田が参加している「寅そば」さんWEB CM
https://www.youtube.com/channel/UCh7D0U2L1j9l8Zb3TUs1UwQ/featured
落合みつを 2022年ショートツアー
10/2(日) 岡山 ツイキャスOUTDOOR配信ライブ
12:00~(予定)
10/4(火) 高知 ri:ber「落合みつを ヨーロッパ遠征帰国ツアーin高知」ワンマン
19:00/19:30 ¥3500-/¥4000-(ドリンク別)
10/5(水) 高知 ri:ber 「みつをと三つ巴」
18:30/19:00 ¥2000-/¥2500-(ドリンク別) 濱田亮/浜田進太郎
10/6(木) 高知 室戸岬 ツイキャスOUTDOOR配信ライブ
17:00~(予定)
Return to Hirakata City 2022
2Days
10/8(土) 大阪 牧野 LIVE CAFE BAR 117-55
15:00/15:30 ¥3000-/¥3500- (ドリンク別) 30名限定
10/9(日) 大阪 喫茶とBAR ときどき生演奏 福猫堂
13:00/14:00 ¥3500-/¥4000-(2オーダー別) 15名限定
10/10(祝) 富山 – FREE FLY 銀の車輪 –
「漢の純恋歌対決」
18:00/18:30 ¥3500(フリードリンク付)
with高田先輩
10/11(火) 新潟 上越 ライオン像のある館 ワンマン
18:00/19:00 ¥3000-/¥3500-
10/13(木) 新潟 新津 村の里 ワンマン
1部 15:00~ 2部 18:30~ ¥4000-(1ドリンク1プレート付)
10/15(土) 新潟 ツイキャスOUTDOOR配信ライブ
17:00~(予定)
10/16(日) 福島ツイキャスOUTDOOR配信ライブ
12:00~(予定)
10/16(日) 福島 いわき 清航館
「みつをとイワオの歌合戦」
17:00/17:30 ¥3000-/¥3500-(ドリンク付)
10/18(火) 埼玉 西立野グレースチャペル落合みつを&さっちゃん
~「ハローホームタウン」公開収録ライブ
18:00/18:30 ¥2000-(売り上げはチャリティーに寄付します)
会場に直接お越しください
10/19(水)東京 代々木 labo
落合みつをx有田健太郎Presents「聴かせてオータムン」
18:15/18:45 ¥3500-/¥4000-(Drinku別)
with 有田健太郎/marco
10月20日15時〜16時
東京 飯田橋ラムラ区境ホール
東京都認定ストリートライセンスライブ 無料
10/22(土) 山梨 甲府 Klub King Rat
20:30/21:00 ¥2500(ドリンク別)
宮下美希/TOM
(posted on 2022/9/30)
Writer: 西田慎太郎