町並み探訪vol.40 (岐阜県各務原市・その5)
「村国座」は、壬申の乱の英雄「村国男依」を祭神に祀った村国神社境内にあります。
年に一度の村国神社の祭礼に氏子が奉納する地芝居のために明治10年(1877)に建設されました。舞台だけでなく客席も持つ、全国的にも珍しい劇場形式の芝居小屋で、本格的な廻り舞台、花道、奈落などを持っています。
江戸末期から明治初期の劇場建築の典型を伝える数少ない農村舞台として、昭和49年(1974)に国の重要有形民俗文化財の指定を受けました。
創建されて以来初めてとなる大掛かりな保存修理と耐震補強工事を、平成18年(2006)から3年をかけて行い、現在に至っています。
現在でも定期的に地元小学生による子供歌舞伎が行われるほか、市民らにも貸し出され、コンサートや演劇などを行う事が出来ます。
「村国座外観」村国神社境内、新境川沿いに建ち、山側が客席、川側が舞台になっています
「客席から舞台を眺める」客席の下手側・上手側ともに花道が設けられています
「上手床から廻り舞台を見る」舞台上の丸い線が回転部分で、直径は7.54mと農村舞台では最大規模を誇ります
「廻り舞台の操作場」奈落(舞台下)にあり、担ぎ棒を人力で押して舞台を回転させます
「奈落から花道へ」役者がセリから花道へ上がる抜け道 脇には地元産の石が積まれています
「役者の記念落書き?」舞台袖には、墨で名前などが書かれ、当時の役者の心が伝わってきます
出典:各務原市
(posted on 2022/8/2)