滋賀の建築①「海門山満月寺浮御堂」大津市本堅田1-16-18
滋賀県大津市北部の琵琶湖上に佇む浮御堂は海門山満月寺内に建つ仏堂である。湖上の安全と衆生済度(全ての生き物を迷いの苦しみから救い悟りへ導くこと)を祈願し天台宗の僧侶源信(恵心僧都)が西暦995年頃に建立。現在の御堂は昭和12年に再建された。登録有形文化財であり、日本遺産「琵琶湖とその水辺景観―祈りと暮らしの水遺産」の構成文化財の一つとして認定されている。
琵琶湖に突出している浮御堂は近江八景のひとつ「堅田の落雁」として選ばれている。落雁とは群をなした雁が浮御堂付近の湖上に舞い降りる様子をいう。御堂の内部には千体の阿弥陀仏「千体仏」が安置されている。
※御堂の内部は撮影不可。
目の前に広がる琵琶湖。琵琶湖の最狭部に位置する。南北を往来する船は必ずここを通らなければならず湖上交通の要所として栄えた。
※左奥に見えるのは琵琶湖大橋。
境内には立派な松がある。樹齢はおよそ650年という。
境内の観音堂には重要文化財である聖観音座像が安置されている。
浮御堂は地元の幼稚園の園歌や小中学校の校歌の詞の中に「浮御堂」が入っているくらい堅田の誇りである。御堂や境内の松の維持管理のためにも参拝者が増える事を地元民として願う。(浮御堂 拝観料 300円 8:00〜17:00 駐車場有)
(posted on 2022/7/5)