日本建築写真家協会

Japan Architectural Photographers Society

コラム
column

町並み探訪vol.38 (岐阜県各務原市・その3)

今回は、市内東部 鵜沼地内にあるお寺「成田山貞照寺」です。
以前、NHK制作 大河ドラマ「春の波濤」にて描かれたので、ご記憶の方も多いと思います。

成田山貞照寺は、日本初の女優、川上貞奴女史が開創したお寺です。
貞奴女史(旧名 小山貞)は明治4年7月18日に東京で生まれました。幼い頃から日本舞踊に親しみ、7歳には舞台に上がり、大いなる人気を博していきました。芸の研鑽を重ね人気絶大だった時、オッペケペー節で一世を風靡していた書生芝居の川上音二郎と出会い結婚。川上一座として、アメリカ、ヨーロッパに渡り、エキゾチックな日本舞踊を披露するなどして、ジャポニズム風潮にあった当時の欧米諸国に大ブームを引き起こし、人々からは親しみを込めて『マダム貞奴』と呼ばれました。また日本に西洋の演劇を広める看板女優としても成功を収めました。

貞奴女史は、大本山成田山新勝寺(千葉県成田市)のご本尊不動明王を篤く信仰し、人生における幾多の困難を乗り越える心の支えとしていました。そのご自身の不動尊信仰の集大成として私財を投じて、当時の成田山新勝寺の諸堂伽藍を模して貞照寺を創建、昭和8年10月28日に落慶法要を奉修しました。
諸堂伽藍は、平成18年国の有形文化財に登録されています。

のちに、門前には貞照寺への参拝のための別邸として、萬松園を建築しました。
今回は私の事情により当地の取材のみとなりましたが、ここ木曽川河畔の地から木曽川上流の大井ダムの方角を敷地内の霊廟から見守っているとされています。


「本堂」鉄筋コンクリート基礎上に総檜造りで建てられ、当時としては斬新且つ和洋折衷の造りです

「本堂内」彫刻を施した檜の太い梁と欄間が印象的です

「堂羽目板」本堂周囲に計8面あります こちらは、福沢桃介氏念願の大井ダムと水力発電所が無事完成した事を表しています

「仁王門」入母屋造りで銅板葺の重厚な面持ちながら精緻な彫刻が施されています

「仁王門から参道を見る」現在はJR東海 高山本線が走りますが、それ以前は参道でした

協力・出典:成田山貞照寺様

(posted on 2022/6/2)

林政司

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