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日本建築写真家協会

Japan Architectural Photographers Society

設立25周年企画展
25th anniversary exhibition

コラム

Column

NOSTALGIC JAPAN ㉝「芯上下式石油ストーブ」 埼玉県飯能市

芯上下式石油ストーブと言えば、アラジンが有名。
90年もの間、少しずつ改良を加えながら基本的なモデルチェンジのない完成されたフォルムと性能。古今東西愛され続ける永遠のスタンダード「ブルーフレーム」は誰もが一度は目にしているのではないだろうか。レトロな雰囲気のブルーフレームは、昔懐かしい親しみあるデザイン。和室や洋室、倉庫の片隅等どこに置いても違和感が無い。ブルーフレームは存在感がある為に一見大きな印象を持っていたのだが、実はとてもコンパクトなサイズ。案外と置き場所に困る事も少ない。

そんなアラジンのストーブをこよなく愛し、メンテナンスを生活の中心に置くご主人の工房にお邪魔した。
ちなみに私も20年以上ブルーフレームを愛用していたのだが、燃焼系まわりの調子が悪くなり最後は手放してしまった。
もっと早くご主人と出逢っていたら。そう思うと悔やんでも悔やみきれない。


都会の喧騒を離れてこんな雰囲気のある工房で精密部品を組み立てたい。

メンテナンス中のストーブ
石油ストーブを整備するには「石油機器技能管理士」という資格が必要となるらしい。勿論ご主人も資格を保有している。

天井には燃焼系付近のパーツがぶら下がる

メンテナンスが終わって待機中

芯上下式石油ストーブは、スウェーデンのリールABUに似ている。特に開高健執筆の「フィッシュ・オン」にも登場するアンバサダー5000C。同じ5000番台でも年式によってギヤ比が違ったりしてマニア心をくすぐる。芯上下式石油ストーブの世界も同じで、製造年代によって微妙な違いがあり、そこもまた所有する喜びに繋がるようだ。また、両方共に自分でパーツをばらしてメンテナンスを行うことが出来るのが良い。


この絶妙なサイズ感が良い

芯上下式石油ストーブの惹きつける青い炎を見ていると時が過ぎ行くのも忘れてしまう。

(posted on 2022/4/16)

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