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日本建築写真家協会

Japan Architectural Photographers Society

コラム

Column

NO PHOTO NO LIFE ㉖~大分県沈堕発電所跡にてポートレート撮影~

3月某日
クライアントワークの為、2度目の大分遠征と並行して建築写真を撮る者として以前より気になっていた豊後大野市に遺る「沈堕発電所跡」にプライベートワークとしてのポートレート撮影に訪れた。

「豊後のナイアガラ」とも呼ばれる沈堕の滝から目と鼻の先に石造りの雄大な佇まいを遺しており近代化遺産とされているようである。俗にいう「廃マニア」の方々をはじめ「インスタ映えの観光スポット」として一般の観光客の方々からも人気のスポットとして知られており、全景を目にするとその異空間ぶりと大きさに圧倒される。

その歴史を辿るとかつて明治末期から大正初めに存在した「豊後電気鉄道株式会社」によって建設されたものらしく、さらに調べを進めると鉄道事業とその沿線の電気供給事業を行っていたらしく、発電所建設の理由に結びついていく。

撮影当日は晴天で時間は午前9時頃から開始をした。
陽光によって敷地内の地面に現われる建物の影模様がさらにドラマチックに演出してくれる。「建築の美と肖像の美」簡単に言うと「建築写真家が撮るポートレート」というキーワードを意識しながらこの1年プライベートワークの一つに加えて撮影を行っている。
今回の撮影は更にその中でも「廃(墟)ポートレート」という統一したコンテンツに沿って作品作りを行っているわけだが、撮影を重ねるごとに廃の魅力の奥深さに気付かされる。

僕のお世話になっている方で、「廃マニア」としては僕など足元にも及ばないほどの大先輩が教えてくれた言葉に「廃があるところには、古の人々の夢や希望があったんですよ!
」っていうのがあって、その言葉には心底納得するものがあった。
そんな眼差しで廃を眺めると美が見えてくる。
今は滅びの姿を遺していても、それは人々が見た夢の跡なんだと。

そして遠征で楽しみの一つ。ご当地グルメ
「道の駅きよかわ」内の「定食・豚ホル王国 すずらん」さんの豚ホル定食。
とっても美味しかったです。

次の旅も、もう目の前。

(posted on 2022/4/20)

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