日本建築写真家協会

Japan Architectural Photographers Society

コラム
column

NO PHOTO NO LIFE ⑲ ~建築写真家としてSONY α7 R Ⅳを選択した理由~

この度、撮影機材を一新した。
多くのメーカーから多くのカメラが販売されている中で、プロとして使用する事を条件に加味した時点でその選択肢はかなりスリム化されるのだけれども、それでも熟考を迫られるくらい良いカメラは多い。
各社の甲乙つけがたいハイアマチュア機種以上のカメラの中から今回何故SONY α7R Ⅳを今後のメインカメラに選んだのか?
僕は建築写真とポートレートを被写体の主として撮っているカメラマンだが、今回は日本建築写真家協会の公式サイトでのコラムという事で、建築写真家としてのアプローチからこのカメラを選択した自分なりの理由をコラムネタにしようと思う。

① 有効画素数 約6100万画素で表現する写真
まずお断りしておくことは「画素数と画質の関係性」に関するとても難しい問題に関しては、エンジニアやフォトグラファーの方々、それぞれの知識経験において主義主張があると思うので、その部分は仮に意に反する事があったとしても読者の皆さんの各々の胸の裡に閉まって読んで頂けたらと思う。
僕は高画素ゆえのデメリットと成り得る撮影環境や撮影設定を回避した際に表現できる6100万画素の写真のメリットを選択した!ということが理由の一つ目。
フルサイズセンサーを搭載したカメラの中では現在最高画素数をほこるカメラとしての魅力を選択したという事です。
低中感度域での解像性能を用いた際の被写体のディテール表現は圧巻だと思う。
またモデルハウスでの内観撮影などではシャドウからハイライトまでレンジの広い環境の中で撮影しなければならない為、階調の滑らかさにも6100万画素の解像性能に期待をしている。

② クロップ(トリミング)の有効性
1つ目は6100万画素の強みを最大限に発揮する際のメリットによる選択理由だったが、2つ目は6100万画素ゆえの「ゆとり」という理由。
僕は住宅撮影に関しては普段17㎜のチルト/シフトレンズを使用することが多い。
ビルダーさんが建築した素晴らしい外観を撮影するときに後ろに下がれず背水の陣で撮影しなければならない事が多い。そのような条件の下でも水平垂直を維持しながら全体像を収められるように17㎜を使用している。でもたまに後ろに下がれる時がある。そんな時はクロップ撮影を行う。
フルサイズセンサーとAPS-Cセンサーでは俗に焦点距離にして約1.5~1.6倍となる関係性がある事はカメラが好きな人であれば良く知られている事だと思うが、
フルサイズセンサーのカメラをAPS-Cの画角にクロップした時に残る有効画素数に関しては意外と驚きの声が多い。焦点距離での倍率と画素数の関係性は比例していない。焦点距離が2倍となれば画素数は半減するのかな?と予想する人は多いかもしれないが、基本フルサイズセンサーのカメラをAPS-Cの画角にクロップ撮影すると有効画素数は本来の半分以下になってしまう。
もともとSONY α7R Ⅱをメインで使っていたのだが4200万画素が約1800万画素にダウンしていた。
それが今回新たに6100万画素のR Ⅳにすることでクロップ後も2600万画素をキープできるようになった。要はフルサイズ機の標準的な画素数をクロップ後もキープできるという事になる。フルサイズでの撮影後に編集でトリミングを行う場合も同様のことが言えるので、2つ目は6100万画素というクロップ撮影や撮影後の編集における画素数上での「ゆとり」という理由。

③ ピクセルシフトマルチ撮影
α7R Ⅲから搭載されている機能でR Ⅳでは更に進化して計16枚の画像が持つ膨大なデータから約2億4000万画素の画像データを生成することができるという技術。例えば国宝や重要文化財に指定されているような建築物に見られる芸術に富んだ建築装飾などのディテールを細部までより臨場感溢れる写真として作ることが出来るというもの。

ポートレートでの使用などを含めると選択理由はその他にもまだあるのだが、
建築写真家としての選択理由は上記の3つが主だったもの。

新たな機材とともに、お客さんと素敵なビルダーさんを繋ぐ架け橋となる写真が撮れるよう生業に向き合う日々を更に前進したい。

(posted on 2021/8/20)

西田慎太郎

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