MENU

日本建築写真家協会

Japan Architectural Photographers Society

設立25周年企画展
25th anniversary exhibition

コラム

Column

NO PHOTO NO LIFE ⑭ ~熊本阿蘇へ~

3月某日。
熊本での撮影業務の合間を縫って阿蘇へ立ち寄った。何年ぶりだろうか?
夜が明ける前に阿蘇山上広場に到着したが、何か様子が違う。
熊本地震以降ロープウェイが運休なのは知っていたが、中岳再噴火等の危険性により長引く再建設工事着手の遅れから残念ながらロープウェイの再建計画は断念されシンボルだったロープウェイ乗り場の建物は取り壊され、新たな「阿蘇山上ターミナル」というシャトルバス発着所の機能を担う施設に建て替わっていたのだ。
山頂への有料道路のゲートが開く朝まで仮眠をとった。
2021年3月現在、警戒レベルは引き下げられ火口見学ができるとのことで、山頂へ上がった。
自然の猛威を目の前で見る事の出来る限られたスポットの一つだと思うが、僕の目を引いたのは、どちらかというと山頂をあとにして阿蘇山上広場まで戻ってきた際に視界に入ってきた、朽ちていく廃屋の建物だ。
比較的最近までお土産屋さんなどが営業していたのではないかと思う。
最盛期には年間100万人を超えたとも言われる観光客の接客を支え続けた建物だったに違いない。

閉鎖されたまま今のところ取り壊されることもなく、無言のまま日々朽ちていく事に抗わないこの建物は、僕から見ると新たに新設された立派なターミナルよりも大きな威厳と存在感をもって阿蘇山の猛威と時代の移り変わりを来るものに提示しているように思えた。

阿蘇山上広場廃屋建屋
阿蘇山上広場廃屋建屋

阿蘇山上広場からの眺め
阿蘇山上広場からの眺め

阿蘇山頂火口
阿蘇山頂火口

砂千里ヶ浜
砂千里ヶ浜

(posted on 2021/3/20)

Writer:

戻る

PageTop