日本建築写真家協会

Japan Architectural Photographers Society

コラム
column

町並み探訪vol.20 (岐阜県加茂郡八百津町・その3)

今回は中心部から木曽川沿いに上流へと進み、旧八百津発電所資料館から。※1

旧八百津発電所は、木曽川水系最初の本格的発電所として建設、明治44年(1911)12月に竣工した。
完成当時の日本国内には、新型水車の開発能力が無く、既存技術を改良して特殊な構造で発電をしたため、産業遺構としても貴重であり、現存している例が無い様である。

当時の日本は経済成長が続く事で、電力増強が急務となっていた。
旧八百津発電所は洪水時の水位上昇を考慮して、平常時水位から7メートル高い位置に設けられていたのだが、その高低差を有効利用するため、すぐ下流側に放水口発電所を建設、旧八百津発電所の竣工からわずか6年後の、大正6年(1917)に完成した。

当初の完成から63年にわたり発電・送電をしていたが、丸山発電所の完成により、昭和49年(1974)9月に閉鎖された。

その後、施設が八百津町に移管され、平成10年(1998)国の重要文化財に指定、
平成19年(2007)経済産業省の近代化産業遺産に認定、現在に至っている


「旧八百津発電所の外観」 国の重要文化財に指定されている

「旧八百津発電所の館内」 現在は安全対策の為、内部公開休止中

「旧八百津発電所と放水口発電所」

八百津発電所の対岸は、古くから木曽川の綱場(つなば)だった
綱場とは、上流から切り出された木を貯木し、各地へと運ぶ拠点の事。
木曽川の上流は、良質の木材が多く存在する木曽地方(長野県)。木曽から切り出された木材は木曽川を下り、ここ八百津で初めて筏に組まれて、尾張地方(愛知県)へと送られた。
しかし、上流の丸山ダムはじめ、木曽川各所のダム建設や輸送手段の鉄道・トラックへの置き換えにより、綱場は無くなっていった。

八百津発電所上流の丸山ダムでは、洪水対策等のため、約20mかさ上げされた新たなダムを建設する工事が進行している。(新丸山ダムの建設)この工事に関連して、多くの付け替え道路が建設されている。
国道418号バイパスもその一つで、旅足川には、川から橋の路面までの高さが200m、橋脚間は220mと、とても高い位置を通る新旅足橋も完成し、既に観光名所にもなっている。
個人的には、この写真は決死の覚悟!?で撮影した。(仕事なら撮れるが、個人的には遠慮したい高さ・・・)


「丸山ダム」新丸山ダムの本体は、約50m下流に建設される予定

「新旅足橋(しんたびそこばし)」川面は見えない(覗き込みたくない?)

「木曽川に沈む夕陽」

※1:現在は安全対策の為、内部公開休止中(旧八百津発電所資料館のみ2017年撮影)
出典:八百津町ホームページ、旧八百津発電所資料館

(posted on 2020/12/2)

林政司

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