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日本建築写真家協会

Japan Architectural Photographers Society

コラム

Column

NO PHOTO NO LIFE ⑧ ~長崎 島原半島ロケ~

9月某日、蝉の鳴き声から蟋蟀の鳴き声へと変わりゆくことに気づくと、確かに日々の朝晩は幾らか涼しくなったように思える。秋の到来を感じながら今月の月刊コラムの原稿を執筆している。

先日、夏の終わりに長崎県の島原半島へロケ撮影に遠征した。
今回はそのことに触れたいと思う。
このコラムで度々触れているが僕は建築写真以外に人も(特に女性を中心に)撮るカメラマンとしても活動している。
いま、九州を拠点に活動を続ける音楽系女性アーティストの写真を撮り下ろしている。
2年後の2022年に向けたとあるプロジェクトとして、そのアーティストを定期的にカメラで追いかけながらバイオグラフィーの表現の一つとして記録している。
その中に一般の人が想像する言葉の意味でのグラビアと呼べる部類の撮影も存在する。
「アーティストの写真だから、いかにアートな(クールな)写真を撮るか!」この考えは自分からすると既成概念の奴隷だと思う。
僕が撮り手として大切にしていることは「意外性!」だ。
カメラマンの能力は、写真のその撮影における知識と技術という枠だけではとても量る事はできない。それが顕著に試されるのがグラビアなどの肌の露出の高い写真撮影だと思う。
グラビア撮影のモデルになる女性は、みな口を揃えて言うことがある。
「カメラマンなら誰でもいいわけじゃない!」
そこには言葉にするのは野暮として触れずとも、撮り手と被写体の間に無言の信頼の行き来がある。なので「西田さんでしか(肌は)出さないけど、、、」というようなモデルを務める子たちからのそんな言葉は、僕にとっては光栄であり栄誉な事だ。

話が逸れたが、オーディエンスやファンから見るアーティストは多面性を持つ人間の1面にすぎない。もちろんアーティストは通常意図的にそうしていることが多い。理由は作品で勝負をしているからだ。
しかし、そんなアーティストの素顔に興味を抱くオーディエンスは少なくないだろう。
そしてそこにギャップが大きいほど、意外性としての反響は大きく、通常とは違った感動を生むのだと思う。僕はそれを写真で行う人間だ。

そんな意外性を撮る為に選ばれたロケ地が今回は島原半島だったということ。
やっとタイトルに辿り着いた 笑
初めて訪れた場所だったが2日間の全行程においてどこも素晴らしかった。
天候は両日とも快晴で日中の降り注ぐ太陽のとても硬い光に屋外での撮影は苦労したが、旅行気分を平行して味わうといった意味においては最高の観光日和だった。
この長崎の島原半島には「海の見える駅」として有名な駅が半島の東西にそれぞれあってその絶景たるものや旅人なら一度は見なくてはならないと思うほど素晴らしいものだった。撮影許可の申請に関してもJR九州の長崎支社様と島原鉄道様の両社様ともとても親切な対応をして頂き、おかげで絶景でのアーティスト写真撮影を行うことが出来たことを心から感謝している。
屋内でのグラビア撮影は小浜町のリゾートホテルのスイートを押さえての撮影だった。
観光業はこのコロナの影響で大打撃を受けているはずだか、小浜町はとても活気があって観光業に関わる人がみんな元気で親切だった。街を必死で守っているのだと感じた。本当に素晴らしい街だった。

かなりの強行軍だった為、全てをご紹介できないが撮ってきた幾つかのスナップを紹介するので、機会があれば是非一度、島原半島の小浜町に訪れていただきたい。

次回は、別のモデルさんと鳥取の砂丘にて撮影の予定。そして福岡のバケーションホテルのスイートルームを押さえてのグラビア撮影2連続と遠征撮影はつづく。
執筆のタイミングと合えば、また触れたいと思う。

千綿駅
千綿駅 島原半島の西側 JR九州長崎支社管轄大村線の駅。
日の出を待って朝5時半過ぎから撮影開始。
大三東駅
大三東駅 島原半島の東側 有明海を臨む島原鉄道の駅
千綿駅での撮影を終えて駆け足で大三東駅に向かい撮影。鉄道課の社員さんにお立合い頂き撮影敢行。
長崎カステラランド

長崎カステラランド
「長崎カステラランド」レストランでの昼食 ご当地料理のトルコライス
牧場の里あずまにて長崎の万里の長城での撮影を終えてのやっとの昼食。

ホテル「オレンジ・ベイ」


ホテル「オレンジ・ベイ」チェックインにてグラビア撮影開始

ホテル「オレンジ・ベイ」
スイートルームからの日の入り
小浜温泉街

小浜温泉街
トワイライトの小浜温泉街とご当地料理の夕食 
長崎3大ちゃんぽんの一つ小浜ちゃんぽんと握り寿司。このセットが定番らしい。

小浜温泉街


2日目 小浜町内での屋外スナップ撮影開始

佐賀県太良町
復路途中での佐賀県太良町付近
有明海をずっと眺めながら帰路を目指す。

(posted on 2020/9/20)

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