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日本建築写真家協会

Japan Architectural Photographers Society

コラム

Column

教会巡礼のような半年間 ~著書『東京の名教会さんぽ』出版にあたり~ 

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図 1 鈴木元彦『東京の名教会さんぽ』エクスナレッジ、2018年

この度、写真と文を担当させていただきました著書『東京の名教会さんぽ』(図1)が建築関係の出版社エクスナレッジさんから、今年のクリスマス直前※1に出版されることになりました。感謝です。今回の書籍は、昨年(2016年)のクリスマス直前に出版された共著『日本の最も美しい教会』(図2)の続編のようなものです。前回は、日本全国のキリスト教の正教、カトリック、プロテスタントの教派を越えた61教会を紹介させていただきました。文を八木谷さんが担当し、写真を私が担当しました。日本全国の撮影では、貧しい美術家であるために、ゆっくりとホテルに宿泊するなり、新幹線に乗ることができませんでした。そのため、青春18切符を使用しての移動、ネットカフェでの宿泊と、まるで教会巡礼のような試練の連続でした。結果、共著『日本の最も美しい教会』は、出版3ヶ月で初版6千部がほぼ完売したそうです。感謝の気持ちでいっぱいです。読者の方々からは、以下のうれしい感想をたくさんいただきました。

「日本にもこんなにたくさんの美しい教会があったなんて知りませんでした。日本らしい教会、格式のある教会、建築家の想いが詰まった教会。どれも素敵な教会」  

 

「もはやキリスト教は日本の文化に深く根付いたものになっていると強く思わされる堂々とした教会建築にうっとり。祈りを捧げる場所にふさわしい厳かで懐の深い空間」

 

「個々の教会の成り立ちだけではなく、建築技法も書かれているので、『信仰の場としての教会』と『建築物としての教会』の両方の理解に役立つ本です。天井の建築技法についての記述を読んで、『そういえば教会は天井が独特だなぁ』と気付きました。意識が自然と〝天〟に向かうように計算されているのでしょうか……」等々。 

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図 2 八木谷涼子、鈴木元彦『日本の最も美しい教会』エクスナレッジ、2016年

今回の著書『東京の名教会さんぽ』(エクスナレッジ)は、東京を中心とした正教、カトリック、プロテスタントの教派を越えたキリスト教の73の教会堂やチャペルを写真と文で紹介させていただきました。撮影と取材の日々は、熱く燃えるような約半年間であり、たくさんの司祭や牧師、信徒の方々とお話ができてとても楽しい日々でした。ただ、今回も前回同様に試練の連続でした。特に今年の8月は、27日間降雨ということもあり、なかなか撮影に最適な環境ではありませんでした。そのような中においても、私の心の奥底には、主イエス・キリストの存在がありました。また、常に主に守られていたと、断言できます。なぜなら、撮影の為に移動を始める際も、必ず主に祈ってから行っていたこともあり、50ccの原付に重い機材を載せて、東京から鎌倉、小田原などの長い移動距離を一日に6時間ぐらい移動することも頻繁にありましたが、事故もなく終えることができました。そして、なによりも無事に出版の時を迎えることができました。主に感謝。
 ※1 奥付の発行日は、2018年1月ですが、実際の販売日は2017年12月末日になります

内容紹介を以下に、転載します。

心が洗われる東京の美しい聖堂
震災・戦災を生き延びた建築遺産から現代の巨匠による名建築まで、東京、神奈川、千葉、埼玉の一度は訪れたい祈りの空間を厳選。
本書は効率よく見に行けるようにエリア別に紹介。教会の歴史、建物の特徴を写真とイラスト(図3、図4)を使い分かりやすく解説しています。また巻頭の「教会のキホン」(図5)では、教会の歴史と聖堂の基礎知識が学べます。
町歩きがもっと楽しくなる1冊です。

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図3 『東京の名教会さんぽ』の「聖路加国際病院 聖ルカ礼拝堂」

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図4 『東京の名教会さんぽ』の「日本ハリストス正教会 横浜ハリストス正教会」

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図5 『東京の名教会さんぽ』の「教会のキホン」

(posted on 2017/12/15)

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