Spin-off大阪写新世界 ⑧「Square(スクエア)の魅力」
協会の15周年を記念した企画「大阪写新世界」に参加しようと、大阪に何度か足を運ぶうちに、壁につきあたった。
なにせ、実力派が大勢で作品を持ち寄るものだから、個性を発揮するのが難しい、どうしても、どこかで見たようなカットになってしまうのだ。かといって独善的な価値観だけを追っていては作品にならないし、頁レイアウトや写真選択はあくまでもデザイナーに任せると決まっている。
そんな悩みを抱えつつ、3度目の撮影に向かう直前、スクエアフォーマットに往きついた。正方形なら、縦も横もなく使ってもらえる。画面の拡がりが無い分、主題に迫った緊張感のあるフォルムであることも面白い。普段の撮影のように広がりや奥行のあるスペースを、立体的に表現する手法とは異なるので、難しい点もいくつかあったが、自分としては納得のいく撮影が出来たと思う。
Square(スクエア)の意味には、堅苦しいとか、わからず屋などの保守的な意味もあるそうだが、あらためてつき合ってみると案外、味のある奴でした。
(posted on 2016/11/1)
Writer: 上岡弘和