香川県 屋島登山鉄道 屋島ケーブル 屋島山上駅(廃駅)
長崎県の端島(軍艦島)を舞台にしたドラマを見ていた。
かつて海底炭鉱によって栄えた端島がCGを駆使して生き生きと表現されていた。
そのドラマの時代背景は自分が生まれる前のものであり場所も特殊で遠く離れているが、町の中心にある商店や人の賑わいの雰囲気など、どこか懐かしい気持ちになった。
過去と現在を行き来しながら展開されるドラマのワンシーンに「廃墟なんかじゃない。。」という台詞があった。
無関係の人間にとっては廃墟にしか見えない現在の端島であっても、元島民にとっては戻れない故郷であり、廃墟という言葉は不適切なのであろう。
そんなドラマを見ていたせいか、役目を終えた建物が撮りたくなった。
香川県高松市の屋島山上駅は昭和4年に建てられたケーブルカーの駅で近代化産業遺産に認定されている。
屋島城跡や屋島寺などの屋島観光の玄関口であり、かつては観光ケーブルとして大いに賑わった。
四国出身の私の義母も幼い頃に何度か訪れた思い出があり、ケーブルカー乗り場の行列に並んだと言っていた。
屋島ドライブウェイが開通した事によりケーブルカーの利用者が減少し平成17年に廃駅となった。
私もそのドライブウェイを利用して山頂の駐車場に車を停めた。
猪を横目に見ながら山道を進むと山の斜面ギリギリに取り残されたように屋島山上駅は建っていた。
廃業当時のまま残された駅舎はかなり風化が進んでいて長い年月の経過を感じた。
この駅舎にも「廃墟なんかじゃない。。」という思いを持っている人がいるのかもしれない。
(posted on 2025/1/28)