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日本建築写真家協会

Japan Architectural Photographers Society

島根県-大社駅(廃駅)

旧暦の10月、全国の八百万(やおよろず) の神々が出雲の国に集まり、他の地方では神様が留守になるので神無月と呼ばれるのに対し、この出雲では神在月と呼ばれる。

その出雲の象徴である出雲大社への最寄り駅である大社駅は最盛期には年間5万人もの参拝客で賑わっていた。
東京、大阪からも数本の急行列車が運行されこの地方の花形駅の一つに数えられていた。
今は廃駅となり人っ子一人いない巨大な駅舎の異様感が否めないが、往時は多くの参拝者が駅を抜け、神門通りを経て神域へ向かう様を見続けていたのだろう。
この駅自体が神域と俗世界との結界の役目をしていたのかもしれない。
廃駅のホームに佇んでいると、以前ピレネー山中で偶然出くわした国際列車華やかし頃の国境の乗換駅、カンフランク駅を思い出した。
この駅も陸のタイタニックと呼ばれていたほどの巨大な駅舎が山峡の山あいに廃墟として現存している。

(posted on 2024/7/4)

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