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日本建築写真家協会

Japan Architectural Photographers Society

設立25周年企画展

25th anniversary exhibition

鹿児島県 肥薩線 大隅横川駅

肥薩線 大隅横川駅は明治36年(1903年)に開業された鹿児島県内最古の木造駅舎。勿論、無人駅。
百年以上前の姿を残し当時の建築構造を伝える重要な建造物として国の有形文化財に登録されている。
この駅舎は平屋だが高さがあるので実寸よりも大きく見える。
その割には窓が小さいので絶妙なバランスとなっていて、正面から見ると凛とした佇まいが歴史の重みを醸し出している。
駅舎の柱には、第二次大戦中に米軍の戦闘機による機銃掃射で被弾した跡が残っている。
いつから使われているのか定かではないが、駅前に設置された朱色の円筒形ポストは駅舎の雰囲気に良く溶け込んでいる。
通常、駅の出入口には自動販売機や電話ボックスが置かれたり至る所に不要なポスターが貼られているが、この駅にはその様なモノは一切ない。
改修工事の際には、木造の駅舎をそのままに、綺麗に清掃し、不要なポスターを剥がしすっきりさせた。朽ち落ちた板を張り替えるにとどめた結果、わずかな予算で凛とした駅に生まれ変わったと、通りすがりのおじさんが語っていた。

(posted on 2024/6/7)

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