影の美学
この度、日本建築写真家協会へ新しく入会させて頂きました野上仙一郎と申します。
私は写真専門学校を卒業後、ある創業100年以上の老舗写真館へ就職致しました。
そこで私は人物の写真、いわゆる型物の記念写真のライティングを
徹底的に叩き込まれました。
男性ポートレイトなどでの特殊な撮影以外、濃い影は悪と教わり、
ソフトなライティングでいかに綺麗に撮影する事を常に心がけておりました。
そして私も独立し、以前より興味があった建築撮影を独学で学びました。
しかし長年ソフトにそして明るく撮影する事が体に染みついていたのでしょうか
影を上手く使った建築撮影をする事が出来ませんでした。
そんな時、ある建築写真家の方が私にこう言って下さいました。
「建築撮影では影も作品の一部ですよ」
「影で潰れて全てが写っていなくても構わないのです
建築家が表現したい所が写っているのなら」
そのアドバイスで私は影と上手に付き合えるようになりました
私は、建築写真家としてはまだまだ駆け出しの新人ですが
会員として建築写真文化の発展に寄与できるようにこれからも努めて参ります。
どうぞ宜しくお願い申し上げます。
(posted on 2016/7/15)
Writer: 野上仙一郎