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日本建築写真家協会

Japan Architectural Photographers Society

大阪府 南海電気鉄道 高野線(汐見橋線) 木津川駅

大阪府 南海電気鉄道 高野線(汐見橋線) 木津川駅

 人情あふれる岸里玉出駅から汐見橋線へ乗り換える。先日撮影した西天下茶屋駅を通りすぎると、ディープな臭いが漂ってくる。「木津川駅」に到着だ。 

 「改札を抜けるとそこは砂利道だった」 川端康成の小説の冒頭風に表現してみたくなるような風景。 資材置場かと見間違うような駅前ロータリー。昭和15年に建てられたという歴史ある駅のわりには控えめにそしてひっそりと佇んでいる。もちろん駅員などいない無人駅。天井から吊るされた防犯カメラが寂しげにこちらを見ている。曲線を使ったファサードは竣工当時モダンな建物だったことが伺い知れる。柱の足元には豆タイルが残る。撮影した日は自動券売機が撤去される前日だった。

 ネットで「木津川駅」と検索すると「都会の秘境駅」などとセンセーショナルな見出しが出てくる。駅の周りにはイイ感じにエイジング加工された工場のトタン壁が並んでいる。いたるところに「ごみを捨てるな!」の看板が目立つ。看板の下には不法投棄されたごみが山積みとなっている。駅の周りを散策すると、外壁をピンク色に塗られた建物が多い。この辺りのテーマカラーなのか。               
 小腹がすいたのでコンビニを探していると西日本ではお馴染みの「ラ・ムー」というスーパーが現れた。店舗入り口脇では、いい大人が行列を作っているタコ焼き屋さんを発見。迷わず並んでみる。目の前に現れたピンポン玉程のタコ焼きは6個入りで驚愕の100円。普通に美味しい。これで商売になるのかなと余計な心配をしたくなる。

(posted on 2025/2/10)

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