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日本建築写真家協会

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ランス・ルーブル 堀内広治

ランス・ルーブル

3度目のランスルーブルはこの地方としては年に数える程しかない快晴の爽やかな朝だった。過去二回はパリから自らの運転で訪れ、今回は珍しくTGVでの再訪となった。この地方はその昔炭鉱で大いに栄えフランス近代化の一翼を担っていたが採炭業が寂れると共にその中心地であったランスも加速度的な早さで衰退への道をたどった。

駅に降り立つと一時期廃墟の体を成していた街の雰囲気を感じないではいられない。その駅前からランスルーブルへは緑薫る遊歩道が美の世界へと導いてくれる。その先には地に這うように周りの風景と一体となった建築が見えてくる。今回は特に外壁に周りの木々、それを取り巻く低くうねった丘陵、雲一つ無い紺碧の空を映し込み、風景と曖昧な一体感を醸し出した建築が陽炎のようにゆらゆらと鈍い光を放っていた。

駅に列車が着く度に見られるルーブル詣での多くの人の波 衰退した街の復興と再生の象徴的存在のルーブル分館の誘致で有ったが、ここを訪れる度に我が国の地方都市への再生のヒントが垣間見られるような気がしてならない。

(posted on 2016/5/1)

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