日本建築写真家協会

Japan Architectural Photographers Society

エッセイ
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空に近い現場 内山昭一

高校生の頃読んだ写真雑誌に、被写体は「人に始まり人に終わる」と書かれていた記憶が有ります。
自分も半世紀以上を生き、途中、鉄道や路地裏などを撮影して参りましたが、働く人の美しさ、特に職人さんの姿に魅力を感じる様になりました。
職人さんと言っても多種多様、ケーキ職人さんも居れば、靴職人さんも居ます。色々聞くうちに、瓦は壷や皿と一緒で焼物だが、壷や皿は、それだけで作品だけれども、瓦は縦横のラインだけではなく、斜めのラインも綺麗に並べた「屋根が作品だ」とお聞きしたとき、撮りたい! と衝動が。
知り合いの瓦職人さんに、撮影のお願いに行ったとき言われたのが「内山さん体重何キロ?瓦割らんといてね〜」でした。確かに瓦職人さん、スレンダーの方多いです 汗
ちなみに瓦の耐重量は100キロ位だそうです。 
職人さんの地下足袋姿に憧れ、地下足袋を購入しようとしたのですが、夏は瓦からの熱に耐えられないと言う事で、購入したのが「屋根やくん」という、滑りにくいシューズ。これを履けば自分のオヤジギャグも滑りません 喜
撮影中は屋根の上を、牛若丸の様な軽やかな動き...な訳は無く、生まれたての子馬の様な、おぼつかない足で瓦を割らないかとビクビクしながらの移動。
当然、職人さんも自分もヘルメット着用。職人さんの表情を撮影したいのに、ヘルメットのツバで目が隠れ気味なのが歯痒かったです。
屋根の上から見た故郷の風景、田園の中を走る列車が模型の様に見えたり、雪を冠った山々がパノラマに見え、自分だけの風景の様な、贅沢な時間を過ごせました。
地方では、フォトグラファーを目指そうという若者は皆無に近いです。
建築関係も同様に、若い人の雇用が難しいとお聞きしています。
創る仕事の魅力、職人の世界を、今後も微力ながら写真の力で伝えて行ければと思っています。

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(posted on 2017/3/28)

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