日本建築写真家協会

Japan Architectural Photographers Society

コラム
column

妊婦と建築写真 伊藤まどか

令和元年10月9日に第一子となる男の子を無事出産しました。
記憶が薄れてしまう前に妊娠中のことを記しておこうと思い、筆を取ってみました。

妊娠がわかったのは今年2月頃のこと。周囲で女性建築写真家がひとりしかいなかった為、どのように仕事をしていくべきか不安が大きかったのを覚えています。

他ジャンルで活躍している女性カメラマンの友人は何人かいるのですが、殆どは妊娠が発覚した時点で仕事を休み、そのまま出産まで産休を取っているというのが現状でした。
私も同様で、初期はやはり体調不良のため撮影はもとより画像処理もままならず、どうしたものかと考えていました。

そんな中でもありがたいことに依頼をいただける御得意様から、とても魅力的な撮影の依頼がありました。
私はどうしてもその撮影に伺いたく、先方に事情を説明した上で家族にアシスタントを頼み、無理のない範囲で動くことにしました。
内容としては趣向を凝らした住宅だったのですが、建築主はなんと5人のお子さんのいるご家族でした。
お子さんたちも写った建築写真を、とのことで腕がなりました。
ちょうど第5子を出産後だった奥様と妊婦話で盛り上がってしまい、そういった面でも非常に楽しい撮影となりました。
私自身の体調も良好な状態で撮影を終え、翌月にブックレットをお届けしたところとても喜んでいただけて少し勇気が湧きました。

妊娠初期にそのような有り難い依頼がいくつかあり、その度に家族のアシスタントのもとなんとか撮影を完了させることができました。
その中には近年の自分の中での代表作といえるような写真もできました。
(しかし後日談として私の母はとても心配していた様です。)

そして、体が重くなってきた妊娠後期にはドローン撮影のみに絞って業務を行っていました。
私が建築写真業界に入った13年前はまだ大判カメラとフィルムを使用していた時代で、女性にとって機材の運搬など体力的にハンデが大きいと感じていました。
しかしこの10余年でデジタル化や軽量化が進み、建設現場におけるけんせつ小町の登場などで女性にとっても働きやすい環境が整ってきたのではと感じる昨今です。
またドローンの登場で高所作業車に乗る必要がなくなったことも画期的なことだったと思います。

このように私にも出来たことなので、ぜひもっと多くの女性に建築写真を志して欲しいと思っています。
そして、日本建築写真家協会にも女性会員がもっと増えるようにと願っています。

妊娠中に活発に動いていたお陰なのか、産まれてきた子は少しの騒音には動じない強い子です。
そして私は以前に夜中の撮影などで鍛えた体力とマルチタスク力のお陰で育児も楽しくやっています。
徐々に生活のペースが取れるようになった後には役員会へもご挨拶に伺えたらと思っています。

皆さんにまたお会いできるのを今から楽しみにしています。

(posted on 2019/10/26)

伊藤まどか

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