日本建築写真家協会

Japan Architectural Photographers Society

コラム
column

30年前に切り撮った刹那を眺めながら今思うこと(前編) 西田慎太郎

~はじめに~
人生の紆余曲折に従ったり、時には抗ったりしながら生きてきた末にいま、「カメラと写真」を中心にイメージングにまつわる事を公私双方の生活において大半を占める日々を送っております。
この度、日本建築写真家協会様に光栄にも加入をさせて頂ける事となりましたので、皆様何卒よろしくお願い申し上げます。
入会させて頂くにあたって、事務局の方より協会の公式サイトで多数の建築写真家の皆様によって連載されているオフィシャルコラムへの寄稿をお願いされましたので、こうして今、撮影業務の前にキーボードを叩いております。

~2019年初夏~
日本建築写真家協会の入会合否の審査期間を経て役員会の皆様より承認を賜って以降、コラムの内容をあれこれと模索しているさなか、ふと1本のネガフィルムの事を思い出した。
幼少の頃から転勤族の家に育った僕はたくさんの土地に移り住み、自立以降の人生もまたそれに似たものだった。
そんな人生を経た結果いま、故郷山口県下関の関門海峡を見渡せる位置に構えている撮影スタジオには、心も物も断捨離を繰り返してきた「まさに今!必要なもの!」しかない。
送ってきた人生の過去は、大半は記憶と経験値という目には見えない形で所有して、荷物といえば昭和生まれの自分的に言うなら「ボストンバッグ」1つ程度しか残していなかった。
ただ、そのボストンバッグの中に約30年間、多くの断捨離の難から逃れてきた1本のネガフィルムの存在を朧げに思い出したのだ。
そのフィルムの存在に自信が持てなかった僕は、慌ててクローゼットの中にしまい込んでいる数少ない過去のそれらを引っ張り出して少々の焦る気持ちの中、そのフィルムの存在を願って探した。
、、、、、あった!

見つかった1本の現像済みのフィルムは何の変哲もなくスリーブカットされた状態でフィルムパックに入れられ、現像所から返ってきたそのままの状態で時を過ごしていた。
スタジオの定常光にフィルムをかざしてみると、そこには劣化はしているものの色が反転したままの言うまでもなく光に浮かぶノスタルジーが見えていた。

17歳だった自分が、人生で初めてフィルム一眼レフ・カメラで撮影した30年前の刹那の数々がそこには写っていた。
(中編へつづく、、、)

(posted on 2019/8/16)

西田慎太郎

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