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日本建築写真家協会

Japan Architectural Photographers Society

コラム

Column

町並み探訪vol.4 (岐阜県恵那市岩村町・その2 土佐屋) 

伝建地区内の恵那市指定文化財 土佐屋にて取材を進めていると、管理人さんが「せっかくならどうぞ」と、奥まった扉を開けてくださった。
聞くと、目が届かないから普段は開けていない箇所も多いそうだ。
広い敷地内を一人で管理しているのだから当然であろう。(市が所有・管理している)
不心得者は、見るだけ見て扉や障子も開けっ放し、場合によっては障子など壊したままで帰ってしまったそう。人の厚意(自治体の事業?)を無にするとは、残念な事である。
そんな中、見ず知らずの私を信用していただけたようで嬉しい反面、壊さない様?緊張しながら扉を開けて入らせて頂く。

土佐屋は河合家の屋号で、元禄年間(元禄は1688~1704)に現在地に移住し、4代目伊左衛門の時代(元文元年没・1736年)より染物業を営んだと伝えられる。
明治時代になって、12代目房吉は金融業を興し、濃明銀行岩村支店(明治32年創業)、岩村銀行(明治41年創業)の設置や、両行が合併した恵那銀行(昭和6年開業)の設立にも貢献した。
また、岩村電気軌道株式会社専務取締役等の他にも、岩村町助役等を歴任し、町・郡の政財界で活躍した。


土佐屋外観(右手前)と伝建地区の街並み


離れ屋の和室(2階) 昭和の建設当時の状態に復元されている


中庭から離れ屋・土蔵方向を見る


主屋奥座敷(2階)から離れ屋・土蔵方向を見ると、間口の狭さが分かる


主屋奥座敷(1階) 江戸時代の建設当初の姿に復元されている


天正疎水 天正3年(1575)入城した河尻秀隆が整備した用水が、今も家々の下を流れる


主屋(2階)おもての間 窓の奥下には、通りの反対側の建物が見える

(posted on 2019/8/2)

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