日本建築写真家協会

Japan Architectural Photographers Society

コラム
column

上海・杭州撮影紀行 三輪晃士

中国では抗日70周年を向かえた9月に、設計の依頼で上海2物件、杭州1物件の撮影に行って来ました。元来私は中国、韓国は余り肌に合わない場所と思っておりましたので、気乗りせずに向かいました。上海虹橋国際空港に到着し改めてびっくりした事は、これが国際空港かと思う程薄暗く、貧弱な佇まいでした。しかし通訳の女性は、美人では無いが大変良い人でしたので「まぁいいか!!」

ホテルに向かうタクシーは、クラクションを鳴らしながら強引に割込運転をするので、手足を突っ張りぱなしの状態で大変参りました。しかし、どうしてもホテルに入る前に上海の現場の下見をしたくて、頂新と古北の再開発を廻り、各々立派な建物で「此れが現在の中国経済力か」と頷ける気がしました。特に頂新再開発はランドスケープも広く美しく、動線も非常に心地よい物件でした。

それにしても、初めての中国で右も左も分からず、「一週間の日程で今回の撮影を終了することが出来るのか?天気はどうか?」不安で一杯でした。到着当日の夜に現地法人の設計者との打合せをした折に、彼等の言う事は「中国は天気が悪く、この一週間も駄目かも知れない」と無情な言葉を聞き意気消沈。明日からの撮影が不安である。

上海・杭州撮影紀行
上海頂新

翌日、案の定曇り時々薄雨。「しょうがない内部と夜景の撮影を遠方の頂新の現場からしよう」と心に決め出発。土曜日の為にガードマン達も割合のんびりして居て、通訳が若い女性だった事も有りスムーズに内部撮影を完了し、ホテルに近い古北の現場内部も終了。遅い中食を取り、再度夜景の撮影に向かった。その頃には天気も回復し素晴らしい夜景の撮影が出来、残るは外部である。

明日の天気を祈りながら助手と一緒に就寝、天気が心配で、まんじりともせずに明け方3時半頃から窓外の天気を観察し、日の出とともにホテル近くの古北の外部撮影に入る。早朝の為陽射しがYRぽいが贅沢は言えない。急いでホテルに帰り、通訳の季さんと一緒に次の頂新へ向かう。

朝のうちは雲が多く出たり入ったりの陽射しも、現場に着く前にはすっかり晴れ上がり日本晴れ(中国晴れ)である。「俺にはツキが有る。」しかし天気が何時急変するかわからない。超特急で外部撮影を終了一安心。もしも此処に小川先生がおられたら「お前もっとしっかり撮れよ!!」でもそんな事は聞いていられない。中国の天気はわからないから・・・上海の2物件は無事終了。今夜は上海外灘で夜景を楽しみ、豫園で食事と万頭を嗜む事にする。

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上海の夜

翌朝はひどい天気であったが、撮影は終了して居る為心穏やかでコーヒーが大変美味い。午後3時、上海虹橋駅発の新幹線で杭州へ。国際空港の向側に有る新幹線の駅は、超近代的な大きく綺麗な建物でびっくり。因みに上海国際空港は外灘の東に有り、新築の立派な建物でした。成田発の便は新空港、羽田発の便は虹橋空港に着くとの事だそうだ。

夕刻4時半に杭州に到着。「通訳の人はどんな方だろう?」待っていたのは、50才がらみの小柄な親爺で「金、土OK」と言う人で、この人も結構良い感じの人で安心。運転手付きの車をチャーターして現場の下見をしながら出発すると、小雨が降って来た。何やら大型再開発ではあるけれど、すでに1~2年前に完成している物件のように見えた。

明日の天気の良いことを願いホテルへ!!上海のホテルより立派な四つ星ホテルで部屋もなかなか良かった。着いた時間が遅い事と、外は雨が降っているので、少々高くてもホテルで食事をする。レストランは英語も日本語も全く通じず困っていると、ホテルのボーイのような人が来て何とか食事に有りつけた。たら腹食ったら眠くなり、シャワーを浴びて就寝。

杭州
杭州

翌朝9時半出発。外は雨、ホテルから現場までは車で約40分。渋滞のせいで困ったものです。上海と違い、杭州は落着の有る都市で、樹々も多く湖もあり流石に城下町だけの事はある。しかし現場の廻りは市街地からも離れて居て、旧市街地の様な場所で新興開発を進めている最中で、雑然とした感じで何か落ち着かない。現場は既に使用され、多数の人々は出入りし撮影は大変そうで気が重い。小雨の中何とか内部の撮影を終了し、夜景待ちとする。

因みに設計者の意向で、外部撮影の全てに夜景の指示があり困った事である。雨が降っていて、本日中に夜景まで終了しなければ大事である。なぜなら、翌日の夕刻発の新幹線で上海に帰る予定と、もう一つ万が一、明日天候が悪くても内部と夜景が終わっていれば次回の撮影は昼のカットなので、日本から日帰りすることが出来る為でもある。

このような事を考えている間に夜景の時間がやって来たのは良いけれど、何やら空が赤く成り「此れは」と思い撮影を始めるものの、空の赤味は気味の悪い様な感じで、どうしても格好つかない。しかしこれも仕様がない。すっかり雨もやみ何とか全て本日の予定は終了しホテルへ帰る。

今夜は外で食事を・・・日本食の看板が見えたのでそこで食べよう。美味かった。この4、5日撮影で足が張って仕方が無い。中国マッサージを受けよう。変なマッサージは困るけれど2人で7~8千円位は仕方無い。紹介されて行ってみると若く可愛い娘が来た。此れは上々である。やたらに日本へ来たいそうだが、旅人である我々にはどうも出来ない事である。そんな事より明日の天気が心配。多分明日は駄目だろう。

杭州
杭州

翌朝9時半予定通り曇り空でがっかり。心の中では「現場に行っても無駄だろう。」と思いつつ現場へ・・・渋滞の中向かうその頃には何やら雲が切れだし、少しずつ陽射しが出て来て「これはひょっとして」と思う間にも天気が好転、すっかり晴天になり小躍りする様に撮影を始め、午後2時には終了。多少朝の光が間に合わずシャドーに成ったけれど良しとしなくては罰があたる。

上海帰りの時間を早め、意気揚々杭州駅へ到着。2時間程の時間では立派な駅を散策しながらコーヒーを飲み、そろそろ時刻も来る頃なので、トイレに行く事としたが、此処でカルチャーショックを受けたのである。大変立派な杭州駅の公衆トイレは匂いも臭く、初めからないのか大使用ブースの扉は壊れて居て、通る人と目が合いながら用を足している様は流石の私も閉口である。世界2位を誇る経済大国の中国新幹線駅舎のトイレが果たしてこれで良いのか?多数の外国人が使用する筈であるのに・・

そんなこんなで、私の初めての中国取材は完了したのでした。

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Gallery

上海古北

上海頂新

杭州

上海の夜

(posted on 2015/11/10)

三輪晃士

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