日本建築写真家協会

Japan Architectural Photographers Society

コラム
column

Spin-off大阪写新世界⑨「大阪写新世界の感想を述べる」 川元齊

 地下鉄恵美須町駅から地上に上がってくると左右天地が額縁になって「なにわ」名物通天閣が画面から溢れんばかりに真正面に飛び込んでくる。更に階段を上がるに連れ、まるでズームアウトをしたかの様に左右の商店街が次々と現れ、ここが大阪の繁華街「新世界」なのだ。最も此処からの侵入は裏口に相当するが、やはり地下鉄動物園前下車から入った方が雰囲気がより一層味わえるのではないかと思う。ガードをくぐり抜けるとそこはジャンジャン横丁である。

 昼間っから立ち飲みの飲食店、囲碁・将棋を打つ店等々を抜けると馬鹿でかいフグ提灯が目の前に。四方八方に大小様々なビリケンさんのお出ましで有る。2度漬けお断りの人形、これでもか、これでもかという大きくて派手な看板のラッシュ。これらの派手さに負けじと建築写真家が撮った傑作が本の中から飛び出してくる。

 正直、私はこんな面白い本になるとは想像もしていなかった。テーマが決まった時は内心乗り気ではなかった。ただ開けてびっくり驚きました。これぞ「建築カメラマンのど根性」「なにわのど根性」だ。時、同じゅうして藤田修一先生(道頓堀、心斎橋の撮影でJPSの金賞受賞)から送られてきた「浅草慕情」(遊人工房制作)の写真集を見ると殆どが人物写真。

 早速返礼として、出来たてホヤホヤのこの本をお贈りしたところ「大阪は実に面白いところだ」と実感の籠もった返事が返ってきた。私が思うに東京にはない大阪独特の文化だと思う。浅草も同じ様に浅草西参道商店街、ホッピー通り、花やしき通り、そしてロック通りと面白そうなところが一杯ありそうですね。

 気さくな大阪のおばちゃんに始まり、どけちの大阪だが人情味もあり、ここぞと思う時は金は惜しまない。通天閣のごく側に福永大神という稲荷大明神があり、この中の石臼を縦にした丸いおみくじ石を力強く回して止まったところの三角窓から漢数字を読み取りそれを左の「新世界稲荷神社御福」の文句が悶々と書き留められている文字に照らし合わせて読み取ると普通の神社のおみくじと何ら変わらない文章が書いてある。私はこの石を撮ったのだが残念ながら見逃された。賽銭を投入すれば手間暇かからず、引いては紙や印刷代の節約は勿論のこと、やたらと木や枝におみくじを結ばなくてもいつも綺麗だ。

 プロレスや花魁が繰り広げられるとは私も全く知らなかった。どうやらビリケン(アメリカ生の女流彫刻家の手で作られた)さんに振り回された懸念が匂ってくる。私が心配していたことにデザイナー氏は新世界(通天閣)大阪を余りご理解して否なかったご様子と受け止める。(間違っていたらごめんです)

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(posted on 2016/11/15)

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