写真展開催にあたって

「橋」は土木構造物の代表として、その力強さや長さなどの規模を語られることが多い題材です。

建築物の意匠的な細やかさ、風流なたたずまい、生活感などとは、少し離れた位置にある存在だと思われている方々がほとんどかも知れません。

私が屋根付橋に興味をもったのは、単なる土木構造物としての橋とは違う独特な雰囲気が感じ取れたことがきっかけでした。それは橋(土木)と屋根(建築)の両方の要素を持つことからくる、存在感の強さであり、単なる道の一部ではないという象徴性だったのです。

調べてみると、国内にある屋根付橋は意外に少なく、全国に点在しています。また、それぞれの歴史的背景、宗教的要因は千差万別で、とても興味のあるものでした。

超高層ビルを繋ぐスカイデッキのようなものも、ある意味では屋根付き橋と言えるのかもしれませんが、今回は木造の伝統的な屋根付橋をテーマとして制作展示を行っています。

土木と建築の境界にある屋根付橋の面白さが伝わると幸いです。お時間がありましたら、ぜひお立ち寄りください。

上岡弘和

弓削神社太鼓橋

満願寺微妙橋

黒澤岩不動尊階段橋

御幸の橋

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